つらいとき、もう一歩前へ進みたいときに読みたい本。私の中で『人生の勝算』は新しいバイブルになりました。
前田裕二さんを知らない人でも読むべき本。私も読んだ当初は前田さんのことを知りませんでした。
この本のストーリーは、著者の前田さんの幼少期からライブ配信サービス「SHOWROOM」を立ち上げた現在までが描かれている。前田さんの「人生」そのものが書かれているのだ。
- ギター弾き語り時代
- 外資系投資銀行時代
- ニューヨーク時代
- SHOWROOM時代
前田さんの人生をおおまかに分けると上記のようになる。幼少期に両親を亡くし、つらい経験をしている前田さん。
彼がどのように生きるための術を身につけたのか、人生とビジネスの本質とは何かを教えてくれる。
この本では、成長ビジネスの勘所について語っており、この本を読めば、あらゆる”ビジネス”勝算が上がると確信しています。
しかし、単なるビジネス本は書きたくなかった。この本を手にとってくれた方が、自分の”人生”そのものについて、勝算を持つ。そんな、温かい本を書きたかった。(p.11、12)

路上ライブで得たもの
前田さんは両親を8歳のときに亡くしました。まだ小学2、3年生ですね。当時の前田さんにとってコンプレックスだったのが「お金」に関してでした。
お金がなくて不自由である。アルバイトをしようにもまだ8歳。とにかく稼いで自由になりたいと強く思っていたそうです。
様々な手段を検討して、彼に合っていた方法が路上で弾き語りをすることでした。この弾き語りの経験が彼のその後のビジネスに大きく関係してきます。
「濃い常連客」をつくること
前田さんが路上ライブでわかった最も重要なことは「濃い常連客」をつくることでした。これをスナックを例にしてわかりやすく解説しています。
廃れゆく商店街の中で、スナックがなぜ最後まで潰れないのか、という議論がありますが、これには、大きく二つの背景があります。第一に、人がスナックにお金を払う背景には「ヒト」が深く関わっていること。第二に、「モノ」ではなく「ヒト」が消費理由になる場合、そこに「絆」という対価が生じているので、ちょっとやそっとではその価値が消滅しにくい、ということです。(p.40)
おおくのモノで溢れている現在の日本では、いかに高機能、高品質でもなかなか売れないのが現状です。
スナックではママとのやりとりや絆の対価としてみんなお金を払うんですね。スナックのお酒にお金を払っているのではなく、ママに価値を見出しているんです。
前田さんはこの「ヒト」が深く関わっていることに気づき、路上ライブで実践しお金を得たそうです。8歳にしてこの事実に気付く鋭さに驚きますよね…。

投資銀行で求められたのは「思いやり」
とにかくお金を稼ぎたいという確固たる意志のあった前田さん。UBSという外資系の投資銀行に就職をします。
株を扱う仕事って、株や金融、経済に関する豊富な知識が必要そうに思いますが、意外にも教えられたことは「思いやり」だったそうです。
思いやりを教えてくれたのが前田さんの所属する部署のヘッドであり、尊敬する宇田川さんでした。宇田川さんは超エリートだそうです。
大学内定者のうちに、宇田川さんに、「この仕事をする上で、勉強しなくてはいけないことは何ですか?」と聞きました。高額な対価をもらうプロとして、入社したら即、相応の付加価値を出していきたいと思ったからです。
すると、宇田川さんは、「勉強なんかいらないよ。とにかく人に好かれること。秘書でも、掃除のオバちゃんでも、受付の人でも、好かれなくちゃダメだ」と答えました。(p.93、94)
超エリートの人に言われると「へぇ、そうなのか」と納得できなくもないですが、それにしても、株の知識よりも人に好かれることなのか。と不思議な気持ちになりますよね。当時の前田さんも訝しく思っていたそう。
どんな人の電話なら取りたいか
前田さんは誰よりも熱量高く仕事をし、株の知識や情報を身につけました。
投資銀行の仕事は原則、ひたすら電話をかけることが中心。投資家の人に片っ端から電話をし、株の情報を伝えるのです。
しかし、前田さんの最初の営業は不発でした。お客さんが電話に出てくれないのです。情報は間違いなく役に立つはずなのに、電話に出てもらえない。
そんなもどかしい状況が続き、前田さんは社内評価は最下位だったそうです。

前田さんが困っている中、宇田川さんの一番弟子である藤井さんに「どうやったらお客さんに電話に出てもらえるのか」教えてもらうことになります。
藤井さんの言葉が下記の引用です。
「前田よ、仕事を舐めるな。お前は株を勉強して、お客さんに投資判断のアドバイスをすることが仕事だと思っているだろ。まったく違う。仕事は、ゲームだ。ゲームで勝つにはルールがある。そのルールをお前は、ちゃんとわかっていない。だから成果が出ないんだ」(中略)「プライドはコミュニケーションの邪魔になる。まず、お客さんとコミュニケーションの接点を増やせ。そうしないと、俺たちの仕事は始まらない。あいつバカだねと思ってくれたら、成功だ。バカを演じきった次の日に、お客さんに電話してみろ。俺の言っていることがわかるはずだ」(p.113、114)
ここでも、必要なことは「この人なら信用できる、電話に出たい」と思われることでした。路上ライブのときと同じなのです。
自分の与えたいものばかりに目を向けていてはダメなんですね。
自分が死ぬとき何を残せるか
前田さんの仕事は軌道にのり、その後ニューヨークで仕事をするようになります。異例の昇給もはたし順風満帆にも思えます。
そんなある日、前田さんにギターを譲ってくれた親戚のお兄さんの訃報が届きます。
身近な人の死。このことで前田さんは、自分は世の中に代替不可能な価値を残せているのか考えるようになります。
このことをきっかけに前田さんは起業することを決心。そしてSHOWROOMが誕生します。このSHOWROOMを立ち上げるのにもまた多くの苦労を重ねています。

僕が仕事にすべて捧げられるのは、色々な生き方の選択肢がある中で、「仕事に狂う」と決めたから。SHOWROOMに命を懸けられるのは、努力が正当に報われる仕組みを世に問うために、自分の人生を捧げると決めたから。(p.156)
前田さんはもう自分の人生に決心していたんですね。これは終わりを意識しているからこそできること。
みなさんは自分が死ぬことを考えて生きているでしょうか?
終わりを意識することからスタートする。これは『7つの習慣
おわりに:『人生の勝算』まとめ
- ヒトに好かれる、信用されることの重要性
- 代替不可能な価値を残すこと
前田さんの『人生の勝算
代替不可能な価値を見出すのは、そう簡単なことではないでしょう。ビジネスをする上では必須であるとは思いますが…。
しかし、ヒトに好かれることはこの先、絶対必要になる要素だと感じました。お金を得るだけではなく、自分の価値を見出すことにもつながると思うからです。
本帯にも書いてある通り、「人生とビジネスの本質」について書かれた良書であると読んで思いましたね。 ぜひ、著書に興味を持たれた方は一度読んでいただければと思います。
今回紹介した本はこちら
最後まで読んでいただきありがとうございました!
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